以前、こちらで弊社のビッグタンクをレビューしてくださった、
青木様から後日談を頂戴しました。
ビッグタンクにピッタリの用紙を見つけたということです。
許可をいただき、メールを転載させて頂きました。
西田 様
さてこの度、ビッグタンクに「最適」と断言しても良いのでは、
というほどの素晴らしいインクジェット紙を見つけました。
サンワサプライからでております、
「つやなしの両面印刷紙・すこし薄手」(品番:JP-12ORVA)
というインクジェット紙です。
まぁ、人それぞれ印刷の目的が異なりますので、
正確には、「私が出版してます電子書籍をマスターデータから
両面印刷する場合に使った結果」と一言入れるべきなのでしょうが、
一般の方が両面印刷する場合にも、
これは相当使いでの良い紙だと言えるでしょう。
何が素晴らしいと言って、その「発色」や「色調」、
「仕上がり具合(風合い)」は、まるでキャノンやエプソンの高級機で
印刷したのでは、と思ってしまうほどで、黙って見せられたならば、
そして一度でもブラザーでのカラー印刷(のひどいさ?)を見たことが
ある人ならば、おそらく100人が100人、
「まさか、ブラザーでこんなにきれいに印刷できるとは!」
と驚きを隠せないのではと思います。
それほどまでに、素晴らしい仕上がりでした!
いまだに、信じられないくらいです。
キャノンの「スーパーホワイトペーパー・両面厚口」
さて、印刷に当たっては、本文部分は本文部分は、
既に様々なテストを繰り返した結果、
キャノンの「スーパーホワイトペーパー・両面厚口」
という紙が最もコストパフォーマンスが良いことが分かっていました。
細かなことを言えば、この紙では写真はイマイチです。
でも、1枚当たりの実売価格約2円という低コストから、
費用対効果を考えると、納得のいく仕上がりと思います。(値段なりに)
ただし、以前もお伝えしましたとおり、ブラザーのドライバでは、
できるだけモニターに近い発色を得られるよう微調整するのが大仕事で、
その値を求めるまでに相当の試し刷りをしました。
これが純正インクを使っていたならば、
試し刷りだけで1~2セットは使ってしまった計算で、
ビッグタンクゆえにできた「こだわりの微調整」と言えるでしょう。
ただし、拙著の『バリ島・村暮らし観察記』( プルメリア選書)をご覧いただければ
お分かりと思いますが、この本の中程に出てくる「章扉」の印刷など、
全面的な写真品質を求める場合には、
この紙ではまったく使い物になりませんでした。
発色が悪いし、滲むし、どんなに微調整を繰り返しても、
とても満足のいく仕上がりにはなりませんでした。
一番痛い目に遭ったのが、背景が黒で、そこに白文字(または色文字)で
キャプションを入れた場合です。
8ポイント程度では、完璧に埋もれてしまいます。
色を変えても結果に大差はありませんでした。
9ポイントまで拡大してもダメでした。
コクヨの「両面写真用紙」
次ぎに写真品質の印刷ができる両面紙として、
コクヨの「両面写真用紙」(光沢紙)(品番:KJ-G23A4-30)を買いました。
これは完璧に「印画紙」です。ですから相当厚く、
私のプリンタ(DCP-390CN)ではもう限界に近い形で、
ただボケーッと印刷完了を待っていたのでは、排紙時点で紙が大きくカールし、
トレーの上部でクルクル状態となり、
またインクの乾きが悪い(24時間は自然乾燥!)ので、
汚れやこすれの原因にもなってしまいます。
そこで、トレーの上に50cmほどの物差しをローラー類の邪魔に
ならないように差しておき、その上を印刷した紙が流れるように一工夫するのです。
それでも多少はカールしますが、丸まることはありません。
そうやって印刷した出来映えは、確かに素晴らしい(写真品質ですから)のですが、ちょっとどぎつい表現になるのが難点でもありました。
そしてなによりも、表紙に使う分にはまだしも、章扉では厚すぎて、
うまくページをめくれないのです。
めくっても「ノド」の部分に折り目ができてしまいます。
やはり、厚手の写真用紙は不向きのようです。
「つやなしの両面印刷紙・すこし薄手」
代用品を物色、上の通り、サンワサプライの紙を購入しました。
値段的にも、写真用紙が1枚60円位しているのに対して、
こちらはざっと10円程度。
厚みも本文の紙(キャノン紙)よりは若干厚めで私の目的には最適でした。
ただし、注意書きがあり、「全面的に写真を印刷するには向かない」
とのことで、その点が案じられていました。
でも、「物は試し」で買ったに過ぎませんので、いわば「ダメもと」です。
カラー設定などはキャノン紙と同じ値で試して見ました。
すると、「つやなし」とのことで、くすんだ感じに印刷されるのかと思いきや、
落ち着いた雰囲気で、カラーの発色もまさに写真並みにきれいで、
何より嬉しいのが、白文字でも黒地に埋もれることなく、
シャープに表現されたのです。
先にも書きましたが、とてもこれが「ブラザー機」で印刷したとは
思えないほどの出来映えでして、本当に信じられません。
プリンタ本体というよりも、この紙とビッグタンクのインクとが
ベストマッチしたのではと思い、早速西田様にお知らせさせて頂いた次第です。
何を、どのような目的で印刷するかで紙の種類などを選ぶべきで、
すべての方が私と同じ目的では毛頭ありませんが、通常の使用においても、
この紙ならばコスト的にも、そして仕上がり具合にしても、
十二分に満足できると思います。
※純正インクはもはや空ですので、
純正インクとビッグタンクとの比較はできませんが。
(何しろ、ビッグタンクと出会えたのですから、
いまさから純正インクに逆戻りするつもりなど毛頭ありませんしね。)
ただ、この紙でもいくつか使用上の注意といいますか、難点はあります。
1)どんなにさばいて入れても重送が著しく、
結果、1枚ずつ(下に普通の紙を入れておくこと)
トレーにセットして印刷せざるを得ず、作業効率は著しく悪い。
おそらく摩擦の問題だと思いますが、
こればかりはどうにもなりませんでした。
2)写真用紙ほどではありませんが、
全面的にインクを載せる印刷の場合には少しカールします。
ですから、この紙でも先の物差しにご登場願っています。
注意書きにあるように、「全面印刷には適さない」とはいえないと思います。
印刷後は、短時間で乾きます。(1分もかからないでしょう。)
念のために数分待ってから裏面印刷すれば安心です。
ただし、カールはそのままではとれませんので、インクが乾いたのを確認後、白紙を上に載せた上で、軽く重石を置きます。少し放置すれば戻ります。
他は、とくに問題点は見つかりません。
(まだ使い始めて間もないからかも知れませんが。)
印刷後、インクは乾いているのに、全体が少し湿気った感じに思いますが、
インクによるものというよりも、この時期の湿度ゆえのことかも知れませんね。
この仕上がりを実際に見れば、この程度の難点は勘弁して上げなければと、あっさり思ってしまうくらいにビッグタンクとベストマッチでした。
西田様のところで「セット売り」されては、と思うくらいです。(笑)
どれほどの差になるか、キャノン紙(左側)とサンワサプライ紙(右側)、両者を並べてスキャンした画像をお送り致します。
一切、加工を施しておりません。スキャンしたままです。
やっと、ビッグタンクを200%威力を発揮出来る紙に出会えました!
今回は、紙数が多い本ですので、とてもすべてをこの紙ではまかなえません。
どうしてもキヤノン紙と併用する必要がありますが、
今後、口絵写真などはこのサンワサプライの紙を使おうと思います。
また、CANONやEPSONのプリンタでこの紙を使ったらどうなるのかも、
機会があったら実験してみたいですね。
ビッグタンクをお使いのユーザーの方から、
紙の適否の問い合わせがありましたら、ご案内頂ければと思います。
(サンワサプライからギャラをもらっているわけでは毛頭ありませんが。)
すべての方に当てはまるわけではありませんが、
紙選びで悩んでおられる方がいらっしゃれば参考にしてくださればと思います。
詳細なレビューを寄せていただいた青木様に改めて感謝します。
コメント